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その時にいつも私は、1年のなかの1時間でも2時間でもボランティア活動のできる方は入ってくださいと申しあげます。
そして、「皆さんは大きくなったらなんになりたいですか」といつも聞きます。「私はもう大きくなったからそんな……」、それではボランティアはできません。自分は大きくなったらこれになりたい、あれになりたい、いわゆる夢をもって活動されること自体がボランティアの活力になるわけです。ですからどんなお年寄りの方、非常に重い障害をおもちの方でも、私たちガイドボランティアサークルの仲間に入っていただけます。
運営の具体的なことですが、会費はほとんど月に1回配っております会報の切手代で消えますけれど、年間2000円徴収いたします。それと福岡市を各区に分けまして連絡員を設けています。在宅であろうが、また手帳をおもちであろうがなかろうが、目の不自由な方を全員対象にしております。それでその方のお家まで、あるいは待ち合わせの場所までまいりまして活動するわけです。その時に、その方に距離的により近いボランティアが派遣されます。公的な交通機関を利用する交通費は、利用される方の実費ということになります。御存知のように、手帳をおもちの方は半額ですみますので、行動のうえでの実費は1人分ですむということです。
よくこれを聞きますと、これは有償ボランティアではないかということを言われますが、私どもはそうは思っておりません。月に数十件、年間何百件の活動をしますと、自費でそこまで行って自費で帰ってくるのにどれくらいのお金がかかるか。それと同時に、私たちのサークルは主婦の方が多く、お子さんが熱を出しているような日でもボランティアをされているような方もいます。その時は私は吃りとばします。自分のこともできなくて、なんでボランティアができるのですかとはっきり申しあげます。そういう熱心な方たちが大変多いです。非常に家庭で苦しい方たちが、実は私たちのサークルに入っていらっしゃる。ですから交通費は実費にさせていただいています。
その代わりに仲間は全員、110人がリーダーですので、福岡県警のお巡りさんに指導に行ったり、夏休みを利用してちびっ子ボランティアの養成講座に出向くなど、そのようなことで仲間をどんどん増やしています。その方たちが必ずしも全員2000円払ってくださるとは限りません。しかし私たちは時間と交通費の実費があれば、あとのお金はいりません。あとは会費の2000円で切手代が払える。ですから私たちは時間と体があれば自由にできる。そして仲間も自分の地域で自由に増やしていけるというふうに考えております。

 

田中 ありがとうございました。柿本さんにお伺いしたいのですが、今日はボランティアをしている方がたくさんいらっしゃっているのですが、企業とどういうふうにつきあったらお金が出てくるかだとか、そういうためになる話をお願いできませんでしょうか。

 

●情報機器を使った企業と行政のダイレクト・ネットワークを

 

柿本 あまりそういうためになる話はないのですが、先ほど植木部長のほうから「福祉プラザ」の話が出ておりましたが、「福祉プラザ」の中にはいろいろな情報のための機器が整備されるようです。企業には今、盛んにパソコンを使ったりインターネットを使ったり

 

 

 

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